(1) 睡眠について
睡眠には二つのメカニズムが関係していると言われています。
一つ目は、疲労や睡眠不足による睡眠物質の蓄積から誘導されるメカニズムです。言い換えますと「疲れたから眠たくなる」ということです。
このメカニズムは睡眠導入剤や抗ヒスタミン薬やカフェインなどに影響を受けます。
二つ目は、体内時計により(サーカディアンリズム)誘導されるメカニズムです。言い換えますと「夜になったので眠くなる」ということです。
このメカニズムは体内時計ホルモンと呼ばれるメラトニンなどに影響を受けます。
次に睡眠の種類ですが、睡眠は「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の2つから構成されています。ノンレム睡眠とレム睡眠の周期は約100分間で、後半に進むにしたがいノンレム睡眠の長さは短くなり、レム睡眠が多くなります。
ノンレム睡眠は、昼間に酷使した大脳皮質を休息させます(いわゆる脳を休める睡眠)。睡眠前半に集中しています。
一方、レム睡眠では全身の筋肉が弛緩し、エネルギーを節約して身体を休息させます(いわゆる身体を休める睡眠)。レム睡眠時の脳波活動は比較的活発です。夢を見たりし、血圧や脈拍が変動することから、覚醒への準備状態にあります。