(4) 高齢者の睡眠について
睡眠は加齢に伴って刻々と変化していきます。
グラフからもわかるように加齢に伴い必要な睡眠時間は少なくなっていきます。必要以上に睡眠時間にこだわる必要はありません。
睡眠リズムについては高齢者の方は睡眠相前進症候群と不規則型睡眠覚醒パターン(グラフでは下2つ)が多くなります。
ここからは睡眠学から見た認知症につきまして簡単にご紹介させていただきます。
アルツハイマー型認知症では、認知機能障害が重症であるほど、レム睡眠の割合が少なく、レム睡眠が起きるまでの時間が長いと言われています。アリセプトなどの認知症治療薬は、レム睡眠の割合を多くし、レム睡眠が起きるまでの時間を短くすると言われています。
レビー小体型認知症では、レストレス・レッグス症候群(むずむず脚症候群)やレム睡眠行動障害など様々な睡眠障害を合併しやすいと言われています。アルツハイマー型認知症と比べて悪夢を見やすいことが言われています。
血管型認知症では、不規則型睡眠リズム障害になりやすく、睡眠時無呼吸を起こしやすいことが言われています(そもそも睡眠時無呼吸自体が血管型認知症の危険因子です)。
最後に前頭側頭型認知症では、総睡眠時間が著明に増加しさらに中途覚醒が著明に増加します。